日本史に飽きたら読みたい有名人のラブレター。だから恋文は残すものじゃない

読書録

こんにちは。主婦ブロガーつみきです。

日本史の勉強に飽きた時にぜひおすすめしたい本をご紹介します。

その名も世紀のラブレター

これ、なにかと言いますと歴史上な有名人のラブレターを紹介してくれる本なんです。

本記事ではここで紹介されている目も当てられないような恥ずかしい恋文をピックアップしていこうと思います。

恋文は残すものじゃないですね、本当に。

不倫です。50代文学者のラブレター

斎藤茂吉

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斎藤茂吉/斎藤茂吉記念館

明治から昭和初期に活躍した精神科医であり文学者。
まじめな印象の強い人ですが、さて。

斎藤茂吉52歳⇒弟子の永井ふさ子25歳へ

*斎藤は既婚者。妻と別居中にふさ子と関係を深めました。

ふさ子さん!ふさ子さんはなぜこんなにいい女体なのですか。
何ともいへない、いい女体なのですか。
どうか、大切にして、
ー中略ー
ふさ子さん。なぜそんなにいいのですか。

(昭和11年11月26日)

ふさ子さん、何といふなつかしいお手紙でせう。実際たましひはぬけてしまひます。
あゝ恋しくてもうだめです。-中略-
…とおもふと、恋しくて恋しくて、飛んででも行きたいやうです。
あゝ恋しい人、にくらしい人。

(昭和11年11月29日)

女体って。。

昭和11年に付き合い始めた二人。
のぼせ上っていたものと思われます。

当時の男性の愛情表現がどういうものであったかはわかりませんが、
初恋をした少女のような書きっぷりが見る側からするとそわそわしてしまいます。

今でいうところの企業の社長クラスの年代の
おじさまがこのようなラブレターを書いていることになります。

しかし、女体って。。。


本人の画像見ながらこの文章読むとさらにこみ上げるものがあります。

立派な人ほど外に出せないものもあったのでしょうか。

金子光晴

流浪―金子光晴エッセイ・コレクション (ちくま文庫) | 金子 光晴, 萱朗 ...
金子光晴/ちくま文庫 エッセイ「流浪」

大正から昭和終盤まで活躍した詩人。

自由奔放な性格で、貧乏でありながら様々な国を旅してまわったそうです。
独特の魅力にあふれた彼のラブレターとは。

金子光晴52歳⇒弟子の大川内令子22歳へ

金子光晴は既婚者。令子と本妻との間で結婚と離婚を繰り返します。

庭には光がさしてゐる。
ふれるものがすべてなまなましく、ふれる恐怖と、新鮮さで、ふれあひ、そよぎあってゐる。
ー中略ー
僕が飲んだ君の樹液。-僕の内部の萌芽と、君のひこばえ。
それがうんだ二人の間の愛情は、接続しがたい愛の法則の上で、-中略-
とにかく僕は、君の愛情の洪水のなかで、背丈が足りなくなってゐる。

(時期不詳)

詩人だけあって美しい言葉が並びます。

けど、君の樹液って。ええ????

カブトムシに扮した金子が生命力あふれる若く美しい木(令子)から

一生懸命に樹液を吸い、その心の内には新しい愛が芽吹いていた。

的な感じでいいんですよね?解釈。

やばいよ。

何かこう、エロティックな妄想をしてしまうのは深読みでしょうか。

おそらくこの深読みをさせてしまうのが金子氏の技なのでしょう。

これはモテたろうな、と思わずにはいられないラブレター

芥川龍之介

芥川記念館 展示物を調査研究 北区、23年開館目指し /東京 | 毎日新聞
芥川龍之介/【記事】芥川記念館 展示物を調査研究 北区、23年開館目指し

ご存じ芥川賞の設立のきっかけとなった人、芥川龍之介です。

明治から昭和にかけて活躍した作家。短編を得意としました。
そんな彼のラブレターは。

芥川龍之介25歳⇒女学生の塚本文17歳へ

今日兄さんから手紙が来てその中に兄さんが立つ時に文ちゃんと五十枝さんとでうつした写真があるから一枚強奪し給へと書いてあります 

兄さんの勧告通り 強奪しますから さう思いなさい 
が 強奪は野蛮だから なる可く穏和な方法をとりたいと思ひます 
どうです 一枚くれませんか こっちへ送って。

文ちゃんが田端へ持って来て下されば、猶有難いけれど、どうです。
ほんとうは写真も欲しいけれど、それより文ちゃんに会ひたくなりました。
これは小さな声でそうつと云うのです。外の人に聞こえるといけません。
会って、話をすることも無いけれど唯まあ会って、一しょにゐたいのです。

へんですかね。どうもへんだけれど、そんな気がするのです。笑つちゃいけません。
-中略ー

文ちゃんはもう寝てゐるでせう。ねてゐるのが見えるような気がします
もしそこにボクがゐたら、いい夢をみるおまじなひにそうつと瞼の上を撫でてあげます 

大正6年10月8日

少し長いですが、名文なので引用しました。

写真を強奪しにいくよ!とおどけたり、「送ってよー」「会いたいよー」と可愛らしいことを言う。

甘え上手でロマンチックですね。

それに何といっても文章が読みやすい。流れるように読める。
文章がうますぎる。。。一番好きです。

柳原白蓮

柳原白蓮 - Wikipedia
柳原白蓮/Wikipedia

とってもお綺麗な方です。
眼福です。

今度は女性のラブレターをひとつ。

大正から昭和にかけて活躍した女性歌人。

柳原白蓮35歳⇒労働運動にあけくれる青年、宮崎龍介27歳

*柳原は既婚者。愛のない生活から抜け出し駆け落ち、二人は後に夫婦となります。

…人の情けと世の無情が悲しくつらい。どうぞ私を私の魂をしっかり抱いてて下さいよ。
あなた決して他の女の唇には手もふれては下さるなよ。女の肉を思つては下さるなよ。
あなたはしつかりと私の魂を抱いてて下さるのよ。きつとよ。
少しの間もおろそかな考へを持つて下さるなよ。

覚悟していらっしゃいまし。
こんな怖ろしい女、もういや、いやですか。
いやならいやと早く仰い。さあ何うです。お返事は?

(時期不詳)

今でも35歳というと

女性は結婚相手に苦労する頃ですが、
柳原氏はこの脅しにも似た情熱的な恋文を送って年下の青年を口説き落としました。

もともと美しい人ではありますが、
そこからは考えもつかない強烈な迫り方
しかし、最後には寂しさもにじませるという技巧派です。

この押して引いてがうまいですよね。

これはメモっとこう。

いつ使うのかは知らんけど。

変態っぷりが最高なラブレター

谷崎潤一郎

谷崎潤一郎 | 著者プロフィール | 新潮社
谷崎潤一郎/新潮社

写真、渋いですね。
明治の終盤から昭和にかけて活躍した小説家。


女性崇拝でよく知られる谷崎潤一郎氏ですが、
マゾ的思考がある彼のラブレターはやはり期待を裏切りませんでした。

谷崎潤一郎77歳⇒渡辺千萬子33歳

*谷崎はもちろん既婚者。渡辺も既婚で子どもがいました。

お手紙忝く拝見、何度もゝ押し戴いて読みました
ー中略ー
殊にあなたの仏足石をいたゞくことが出来ましたのは
生涯忘れられない歓喜であります
 決してあれ以上の法外な望みは抱きませんから
何卒たまにはあの恵みを垂れて下さい ほんたうに活を入れていたゞいて少しは
よいものが描けることゝ張り切てをります

(昭和38年8月21日)

77歳ってところがまた突っ込みたくなりますが、一番の突っ込みどころはその内容。

ここでいう「仏足石をいただく」という意味不明なフレーズ。

これは以前、谷崎が渡辺に贈っていた歌に詠まれたもので、

その歌の内容は、
「奈良で仏様の足を見たんだけど、やっぱり仏の足に踏まれるよりあなたに踏まれたいです」というものでした。

つまり、手紙で何を言ってるかというと

千萬子さんに靴で踏まれてすんごい嬉しかった!
とうことです。

なんじゃそららああああ。

今でこそ女性にムチ打たれて快感を感じる人がいるということが
知られてきましたが(知られていると思う。)

77歳のおじい様が足蹴にされて興奮している姿を想像すると狂気を感じます。
でも、面白い。

谷崎さんはぶっ飛んでて一番面白いです。

まとめ

日本史に登場する有名人のラブレターを5つご紹介しました。

これ以外にも山本五十六、石原寛治など軍人から、鳩山一郎、向田邦子まで様々な人の
ラブレターが世紀のラブレターには解説されています。

特に軍人の人たちの恋文は遺書でもあるのでなおさら胸を打ちます。
ぜひ読んでみてください。

おすすめです。

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ちなみにこんな本も読んでます。
良かったらどうぞ。
秋の読書におすすめの一冊。「茶色の服を着た男」女版コナンみたいな話。

以上、主婦ブロガーつみきでした。


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